4年の冬になっても内定のない、自堕落、もしくは何らかのトラブルがあった限界大学生へ
序文
あれは私が大学2年生の頃に遡ります。
当時、Twitterで相互フォロワーだったペンギンアイコンの人がいました。特に仲が良いわけでもないけれど、タイムラインではよく見かけるぐらいの距離感。そんな彼女が、ある日おもむろにこんなツイートを投稿しました。
「わたしは就活うまくいかなくて大学4年の3月に内定出たけど、ホワイト企業に入れたから、内定決まるのが遅い子もどうにかなるよ! 大丈夫!」
私はタイムラインに流れてきたそのツイートをみて、へ〜、そうなんだ! と嬉しく思いました。ちょうどその頃、保険会社の1weekインターンに行って、向いてない、こんなんやってられるか、と嫌になったばかりだったので、なんだかこのツイートが輝いて見えました。
ペンギンの人のツイートを心の支えに、就活をさぼりました。本当にやりたくなかったので、本当に何もしませんでした。
そのうちに季節は巡り、4年の冬が来て、年が明けました。就活のスタートです。
数社に履歴書を提出した結果、運良く私も3月末にホワイト企業に入社することができました。
今思えば、ペンギンの人はすごい資格を持っていたかもしれないし、高学歴だったのかもしれません。なのにそのツイートひとつを鵜呑みにして、よっこらせと腰を上げた結果、拾ってくれる会社がありました。ありがたいですね。
入社した会社は大企業ではなかったものの、お給料を人並みにもらえて、残業ゼロ、それなりにきれいなオフィス、優しい先輩たち、面倒見のいい上司。小さい不満はあっても、大きな不満はひとつもありませんでした。その後、他にやりたいことができて転職してしまいましたが、本当に良い会社だったと思います。
というわけで、この記事では私が大学4年の3月に就活するにあたって学んだTipsについて書き記していきます。
どのような理由かはわかりませんが、同じように内定がひとつもなく「どうしたもんか……」となっている後輩の一助になれば幸いです。わたしも誰かのペンギンアイコンの人になれますように。
Tips.1 リクナビ・マイナビは使わない
通常の就活ではリクナビ、マイナビのような新卒向け求人サイトを使うことになると思いますが、大学4年の冬になると、それらのほとんどは動いていません。次年度の採用が活発に動いている時期だからです。リクナビ等に登録している多くの企業は4年生に限りをつけ、3年生の相手をしています。
そんな中、良い求人がないか探しても、荒地みたいになっている上に、ぽつんぽつんと残った求人も採用の本気度がよくわからないものしかなかったように思います。
私が2月に就活をしているとき、あれ!? マイナビに良い感じの求人があるぞ!? と思って面接に行ったら「君、いま4年生!? ごめん、いま3年生の子向けに求人出したと思ったんだけど……年度間違えて求人出しちゃったみたい……😭」と言われて、ちいかわのようにトボトボ帰ってきたこともありました。
もちろん、リクナビ等に良い求人がないとは言い切れないので、サイトのチェック自体はした方がいいと思いますが、クローズ直前の荒地で絶対に決めようと血眼にならなくてもいいかもしれません。
あとは派遣関係のリクルーターみたいなのにも登録した覚えがありますが、そこも新卒となると良い案件がなかったような……。
Tips.2 就職課に届いている求人票をチェックする
じゃ、どこで求人探したの? というと、大学の就職課に届いている求人票でした。
それなりに歴史のある大学には、古くから付き合いのある企業から、お茶汲み枠だったり、営業枠だったり、様々な枠で求人票が送られてきています。
特に、大企業とまでは言わないけれど、それなりに規模のある会社の地方採用枠だったりすると、人数がそこまで必要ないのでリクナビ・マイナビを使わずに求人票だけでさっくり済ましちゃったり、のんびりしているので採用時期が遅いケースをよく見かけました。内定キャンセル出たから求人票で一名だけさくっととるか〜、みたいなパターンもあります。
しかも、その大学を名指しで求人票を送ってきているため、採用意思もそれなりに強く、内定が出やすいように思います。
なので、就活時期がギリギリになっている人はぜひ大学の就職課へ行って、良さげな求人を探してみてください。
Tips.3 業種を選ばない
4年の冬に就活している身として、素晴らしい大企業に入れないのはわかっている──けれどもせめて、ブラック企業には入りたくない──。となると、妥協できる条件は限られてきます。
この時期の就活でもどうにかホワイト企業に入りたい。そういった場合、私のような能天気にとって一番わかりやすい指標は〝上場しているか〟どうかでした。もちろん、上場していてもブラックの会社はありますが、上場しているとある程度のルールは守らなければなりません。また、上場しているレベルの会社であれば、転職サイトなどにクチコミもそれなりに投稿されているので、ブラックかどうかの判別がつきやすかったです。
なので私の場合、先述の求人票をキャリアセンターで捲りながら、一部でも二部でも名証でも、とにかく上場している会社でブラックじゃなさそうなところ全てに履歴書を送りました。全てと言っても、もう時期外れなので少なかったです。
その際、業種は選びませんでした。というのも、ブラックだけど自分の好きな業種の会社か、なにやってるかよくわかんないけどホワイトそうな会社だったら、後者を選びたいと思ったからです。
最終的に入社した会社は本当に「なにそれ?」という感じの製品を作っているメーカーで、その会社に入らなければ一生知ることもないような代物を扱うことになりましたが、製品のことを知れば興味も湧くし、面白かったです。
Tips.4 明るく元気に面接に臨む
求人票であれば、書類は基本通ると思います。なぜなら、そこの大学の学生が欲しくて求人票を出しているからです。
となると、ここから大事になってくるのが面接です。
私が大学4年の3月に面接へ行ったとき、採用枠は1人でしたが、面接に臨む就活生が部屋にたくさんいて度肝を抜かれた覚えがあります。なにを作っているか分からなくても上場企業、4年の3月であっても枠の取り合いなのだと身に染みました。
その面接を受けて無事に入社し「なぜ採用してもらえたんですか?」と聞いたところ、「元気で明るかったから😄」との返答がありました。馬鹿みたいな理由ですが、おそらく事実だったと思います。ペーパーテストはカス、資格もない、そしたらそれぐらいしか差別ポイントがありません。
冷静に考えると、大学4年の3月に元気で明るい就活生はいません。普通なら、元気で明るい人はどこかの会社に入れてもらえるからです。人のことは言えないというか、自分もそうだったのですが、長い就活期間でどこにも受からず、大学4年の3月まで内定が決まらない人は何かしら問題がありますし、大きな問題がなくても大学4年の3月まで内定がなかったらメンタルが終わっているはずです。全員暗鬱に沈んでいる中、凡庸ではあるものの特に大きな欠点もなく、元気で明るいやつがいれば面接に受かりやすいでしょう。
私の場合はそれまで就活をしていなかったため、落とされるというダメージをほとんど負っておらず、就活初期の人間のように元気だったように思います。
なので、面接では嘘でも良いから元気で明るく臨むことをおすすめします。
「なんでこんな遅い時期に就活してるんですか?」という質問に対しては、「内定をいただいた会社があったのですが、実際に伺ったところ上司が社員を恫喝しており、ハラスメントの横行があるようだったので、悩んだ末辞退し、胸を張って働ける会社に入りたいと思って……」みたいなことを言ってしゅんとしておきました。面接室には可哀想に……みたいな空気が流れました。もちろん内定はどこからも貰っていなかったです。
終わりに
以上、限界就活生へ送るギリギリ就活Tipsでした。
4年の冬に就活して思ったことですが、優秀な就活生たちは一人残らず内定が決まっているので、採用で争う学生たちも最弱になっています。おそらく、就活が決まらなければ決まらないほど、一緒に内定を争う学生は弱くなります。つまり、時期が遅れれば遅れるほどチャンスです。もちろん自分も弱いけど、強い敵さえいなければどんぐりの背比べ。可能性は多分にあります。掘り出し物の求人さえ見つかればこっちのものなので、ぜひ弱気にならず頑張ってください。
みなさんの就活を心から応援しています。