エッセイ的な文章が書きにくくなったのは、20代後半ぐらいのことだったように思う。
20代前半はインターネットに自己開示をしまくっていた。名古屋嬢みさとと呼ばれていた時代である。地方出身、非モテ、肥満、彼氏なし、貯金なし、仕事カス、なんかそういう色々なネガティブをバッジにして「みんな! こんな人間もいるけど一緒に生き抜いていこうね」という気持ちでいっぱいだったし、実際それでよかった。笑ってもらえればよかった。めっちゃ金になったし。自虐というコミュニケーションで走り抜けた20代で、それはそれで楽しい時期だった。
それから人生を進めていくと、色々なことがあって、それなりの生活にたどり着いた。外見は良くなっていないものの、働き続ければお金は貯まるし、住む家もよくなり、隣には男がいて、毎日お金を気にせずご飯が食べられる。平穏。
そうなってくると、自虐することがなくなってくる。別にしてもいいけれど、それって自虐風自慢にならないか? みたいな。私は今、西新宿のこの家をわりとアクセスが悪いな、と思っているけれど、「西新宿ってアクセス悪くて不便で〜」という言葉を、100%の人がそうだよね〜と言ってくれるとは思わない。いや稲毛よりはいいでしょ、と言われたらまあそうですね、稲毛よりはね。と思うし。
でも開き直って金持ちで〜す! というほどなにかを持っているわけではない。
どうすんのこれ?
みんな何書いてんの。書くことないよ。まじで穏やかな生活しかしてないよ。毎朝カーテンを開け、都庁を見上げて「っぱ丹下健三なんだよな……」ってオタクみたいに早口で呟いて、ダル着のまま散歩に出る。朝ごはんに都庁の職員食堂で焼きたてのパンを食べるか、中央公園のスタバで「ハーブソーセージ石窯フィローネ」を齧る。そのまま公園のチューリップの咲き具合を確認する。八分咲き。気が済んだら家へ帰って仕事をする。仕事に詰まったらClaudeで遊ぶ。今月は2万課金している。お昼は食べない。気がついたら夕方になっていて、夜になったら男が帰ってくる。少し話して、また翌日。
どうこれ。面白い? 何も面白くないよ。ねえ、どうにかしてよ。
こうして書くとなんでこうなったんだろうと思う。そもそも東京にこんな長いこといるつもりなかった。好きな男にくっついて上京したら、なんか転がるところまで転がってここまできた。自己研鑽とか一切なかった。ラブ一本。
までもラブ一本で上京できたのは、本当に幸せなことだったと思う。20代はいっぱい間違ったな〜と思うことたくさんあるけど、それだけは自分の中でいい判断だった。結婚前に同棲しない方がいいとかいう人いるけど、一切聞かなくていい。いずれ皆、最期はひとりになるんだから、途中だけでも、大好きな人がとなりにいてもいいじゃんね。
ま、そういう日記でした。また書きます。